生地の処理について(水通しなど)

原典『Dressmaking Made Easy』 (1939) p.4

生地の下処理って必要ですか?

ほとんどの生地は、裁断する前に下処理が必要です。ウール・コットン・リネン・シルク・レーヨンなどにも下処理が必要です。

ウールはスポンジで湿らせ、コットンとリネンは水通しで縮める必要があります。シルクとレーヨンは、パターンを生地に重ねる前に、アイロンしてしわを取り除きます。

水通ししていない生地の場合、ウールは1mで5cmほど縮み、コットンとリネンは1mで2.5cm~7.5cmほど縮みますので、この収縮率を考慮して生地を長めに入手しましょう。

ウールの下処理

まず、生地耳を切り落とします。次に生地をテーブルの上に平らに広げます。

ベッドシーツ等を冷水でよく濡らしてしぼり、生地の上にできるだけスムーズに広げます。生地とシートを一緒に丸めて、数時間~一晩寝かせます。生地を広げながら、裏側からアイロンで押さえます。アイロンの際は当て布を添えてください。アイロンで完全に乾くまでプレスしてください。アイロンを1か所に長い間置きすぎると生地に跡が残ることがあるので、ゆっくりと前後に動かしながらプレスしてください。

生地の地の目方向にアイロンしてください。

生地を縦半分に折り、横糸が水平になるように生地端を合わせます。

コットン・リネンの水通し

白色の生地は、シワにならないように折り畳んでから、お湯か水に入れ、繊維が十分に浸るまで数時間放置します。

色のついた生地は必ず冷水に浸してください。水に浸した後、生地を絞りますが、強く絞りすぎてはいけません。おおよそ乾くまで物干し竿に吊るしたら、裏側にアイロンをかけます。

シルク・レーヨンの下処理

シルクやレーヨンは、水通しは必要ありませんが、アイロンでシワを取ります。ウールよりも低温のアイロンを当ててください。

シワになったシルクやレーヨン生地をプレスするには、折りたたんだトルコタオル(薄手のタオル)や柔らかいナプキンの上に生地を置きます。アイロンで生地の裏側を軽くプレスします。

刺繍生地

シルク・レーヨンと同様の方法でプレスします。

ベルベット・ビロードの後処理

ベルベットは制作途中に指の跡がつくことが多いので、スチームアイロンで毛足を立たせてこの跡を消してください。これにより生地の光沢も蘇ります。

スチームアイロンの際は、高温のアイロンを立たせた状態で使うと便利です。アイロンを湿らせたあて布で覆い、生地の裏側を蒸気の出ているあて布に軽くあて、通過させます。

メタリック布

メタリック生地はあまりアイロンをしませんが、使う場合は低温設定にしてください。生地が変色する恐れがあるため、あて布を湿らせないでください。

水通し済みのコットン・リネン生地

コットンやリネンが縮む問題を解決するために、科学的な収縮制御法が開発されました。この方法で完全に水通しが済んだ生地を販売するメーカーもあります。

国内(アメリカ)の生地販売店ならほぼどこでも、ボイル・ローン・バティステ・モスリン・ディミティ・ブロード・シアサッカー・ギンガム・綿シャンタン・クラッシュ・ピケ・ポプリン・スーツ・コバート・デニム・リネンなどをはじめとした、水通し済みの生地が幅広く販売されています。

水通し済みのコットンやリネンを購入すれば、家庭で水通しをする手間が省けますし、用尺も節約できますね。慎重に生地を買うのが得策です。

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